次の100年を見据えた新たな教育会館~工事記録

今回ご紹介するのは、現在鹿児島市下竜尾町3丁目に建設中の鹿児島県新教育会館(仮称)です。

鹿児島県教育会館といえば、鹿児島市山下町にある築90年を超える鉄筋コンクリート造3階建ての建物が有名ですが、老朽化に伴いその機能を今回ご紹介する建物に移転します。



■新たな教育会館は鉄骨造5階建て

1階は駐車場。2階より上がオフィスとなります。オフィスは三方に大きな窓がたくさんついた非常に開放的な造りです。また各階から張り出した金属の梁も特徴的です。この梁は視覚的に優れるだけでなく、窓を掃除する際にも役立つようにデザインされているそうです。窓が多くても汚れていたら台無しですから、メンテナンスが効率良くできるよう設計されているのですね。

設計パース


入居するのは現在の教育会館同様、管理者である一般社団法人 鹿児島県教育会館維持財団。他、鹿児島県教職員組合・鹿児島県高等学校教職員組合・鹿児島県学校生活協同組合・鹿児島県教育用品株式会社・ 教職員共済生活協同組合 鹿児島事業所・一般社団法人 鹿児島県教職員共助会の全7団体となります。

建設中の外観(2025年3月撮影)


駐車場として利用する1階のピロティ


工事初期からの空撮



■建物内部

内部は白を基調としていて、天井も高く作られています。
見ていただくとわかる通り、鉄骨や空調設備などがむき出しになっています。こういう構造はスタイリッシュに見えるだけでなく、二重天井を省くことで天井高が確保できるため、空間を広く感じることができます。また、配管が目で見えているためメンテナンスもしやすいという利点もあります。

ただ、このままでは断熱性が低いため、天井にロックウールを吹付け断熱をしているそうです。

特徴的な大きな窓ガラスは、Low-Eガラス(遮熱ガラス)を用いた複層ガラスになっていて強度も断熱もバッチリ!

これまでの教育会館は、昭和初期に建てられ築90年を超えるレトロなビルだったの対し、こちらはまさに最新の技術や流行を取り入れたビルです。このビルも100年後には、保存活動が行われるくらい「令和レトロなビル」と呼ばれているかもしれませんね。



■明るく目に優しい現場

これは建物に関することではないのですが、個人的に印象的だったのは、工事中にもかかわらず現場内が明るかったことです。その理由のひとつに高輝度LEDチューブライト(線上の照明)を導入していることが挙げられます。街のイルミネーションや販売店の間接照明としてチューブライトを使っている場面は見たことがありましたが、工事現場で見るのははじめて。しかし、従来型の照明(点光源)と違い、光がよく行き渡るので現場がとても明るく見やすかったです。


チューブライトを導入した加藤所長は「私は暗い現場が嫌いなんですよ。暗いと作業効率が悪く、何より事故も起きやすくなる。だから照明器具はこまめにアップデートしています」と語ってくれました。LED照明は日進月歩良くなっているため、新製品をちょくちょくチェックしているのだとか。
今後、さまざまな工事現場でチューブライトも一般的に使われるようになっていくのかもしれませんね。



現場のみなさま

ムードメーカーな加藤所長の現場は、いつも職人さんの雰囲気が明るい印象があります。
多い時は50名以上の職人さんが作業をしていると伺いました。
移転前の歴史ある建物に恥じぬビルにすべく、みなさんまごころを込めて仕事に打ち込まれていました。

この現場、完成は今年6月下旬の予定です。完成まであとちょっと!
怪我などないよう最後までどうぞご安全に!

今回の現場

■関連リンク

施工管理:南生建設
文・写真:小島健一

PHOTO LIBRARY現場レポート by小島健一
見学家小島健一が訪れた、鹿児島県の建設会社「南生建設」の手掛ける現場のレポートです。月に1度くらいの頻度で更新予定。